こんにちは、認知症ZEROです。

「食事に気をつけていれば認知症は防げる」

——そう思っている方は多いのではないでしょうか。

もちろん食生活は大切ですが、実は数万人の患者さんを診てきた臨床の現場では、食事以上に見えてくる「ある共通点」があります。

今回は、船木先生に、認知症になりやすい人・なりにくい人の意外な傾向について伺いました。

1食事より明確な差が出るもの

0:33頃/食事と認知症の関係について語る様子

認知症になりやすい人・なりにくい人を比べたとき、食事の内容には確かに明確な違いがあります。

ただ、現代人はほとんど似たような食生活を送っているため、そこではなかなか差がつきません。

船木先生

船木先生

「明らかに認知症になりやすい人、ならない人で比べると確か食事はもう明確の違いありますよ。ですけども現代人ってほとんどがもう同じような食事してますので、なかなか差がつかないんですけども」

では何が差を生んでいるのか。長年多くの患者さんと向き合う中で見えてきたのは、食事よりも「心の状態」との関わりでした。

2「理想の夫婦」ほど注意が必要なケース

1:14頃/夫婦関係と認知症の関係を話す様子
木曽さん

木曽さん

「おじいちゃんが自営業をリタイアした途端に病院で認知症が発症したんです。気が抜けちゃったのかなと」

船木先生

船木先生

「気が抜けちゃったというよりも、そこでもし跡継ぎがいない、奥さんも全然手伝ってくれないという人には不安がある。一方で夫婦仲がすごい悪くて1人ぼっちの人で、僕、認知症になった人もあんまり見ないんですよ」

一見すると不思議な話ですが、ここには本当に仲が良かったのかという視点が関わってきます。

船木先生

船木先生

「その仲いいことはもういいんですけども、本当に仲良かったのかなっていうことなんですよ。特に商売なんかおやりになっていたら、家庭が安定してるとか銀行から信用してもらうのも夫婦関係が落ち着いて結構大事なファクターになるので、外からどう見られるのかっていうことをきちんと維持するために、もしかするとものすごい2人とも作ってたのかもしれない」

自分の本音とは違う関係を、外向けの体裁として何十年も維持し続ける。

本当はこうしたくなかったんだという思いを、何十年も抱え続けている人は、認知症のきっかけになりやすいというのが、現場で感じてきたことです。

船木先生

船木先生

「本当はこうはしたくなかったんだっていうことをずっと、本当は自分はこうしたかったんだ、私はこういう道を進みたかったんだ、でももうその時はしょうがなかったんだ、でも本当は自分の思いではなかったんだっていうのが何十年も続いてる人ですね」

局所的な我慢ではなく、長いスパンで本音と違う向き合い方を続けてきた人が、あるとき急にその蓋が外れるように、症状として認知症が現れる——そう捉えると、いろいろな事例がつながって見えてきます。

3板挟みになりやすい立場の人に多い共通点

4:41頃/中間管理職・公務員の事例を話す様子

こうした「本音と違う自分を演じ続ける」立場に、特になりやすい仕事があります。

船木先生

船木先生

「中間管理職だとか、本当に申し訳ないですけどやっぱり公務員さんとか、私随分見てきました。反対にやりたい放題のワンマン社長で認知症って私見たことないんですよ」

上からは不正の処理を押しつけられ、下には自分がやらせる。本当はそんなことをするために自分はここにいるんじゃないと思いながら、それでも真面目に、長いスパンで役割を全うし続ける。

そうしたわだかまりを抱えながら我慢を続けてきた人ほど、認知症の症状につながりやすいという印象です。

船木先生

船木先生

「1番美味しい思いしてる人は病気になってないんですよ。真面目ですごく落ち着いていて、男性にしても女性にしても、あんまり性を感じさせないタイプの人ですよね」

木曽さん

木曽さん

「それを考えると団塊ジュニアがこれからさらに高齢化していくわけですよね。私たちを含めて、世代の人口も多いから」

船木先生

船木先生

「だから私の見立てがもし妥当であれば、はるかに増えますよ、これから」

社会の中でどう振る舞うかに向き合わされる時代を生きてきた層が、これから高齢化のピークを迎えます。

仕事や社会的な役割から外れたときにどう自分を解放できるかは、認知症とかなり密接に関わっているテーマかもしれません。

4感情が動き続ける脳は老いにくい

17:38頃/エロい人は認知症になりにくいという話をする様子

臨床の現場で得られた、もうひとつの実感があります。

船木先生

船木先生

「特に男性ですけれども、いくつになってもエロい人は認知症になりにくいですね」

これだけ聞くと突飛に感じますが、その背景にあるのは「感情が動き続けている」という状態です。

船木先生

船木先生

「感情が動き続けてる脳みそって、認知症の症状って出にくい。簡単に言うと認知症になりにくいと思うんですよ。明日が見えないとか、来年のことが想像がつかない、確信が持てない——どうなるか分からないことを抱え続けている人の感情って、ものすごい動き続けるんですよね」

創業社長や、恋愛関係にある人たちに共通するのは、行為そのものではなく、その先にある不確かさへの感情を、ずっと持ち続けているということです。

船木先生

船木先生

「本当に楽しみ続けてる、もしかしたらそこで別れちゃうんじゃないかっていう時に感じた感情をずっと持ち続けてる人っているんですよ。そういう人たちは100%認知症にはなってないですね」

木曽さん

木曽さん

「じゃあ、行為そのものというより、特定の人に感情を動かし続けている精神性の話なんですね」

その若さは、行為の有無ではなく、意識が常に活性化している状態が続いていることに由来します。

反対に、頑張って会社や家庭を支えてきたはずの創業社長でも、パタッと症状が始まって一気に進んでしまうケースもあります。

その違いを分けているのが、この「感情が動き続けているかどうか」という点です。

5気をつけたい、もうひとつのリスク

22:49頃/脳血管障害のリスクについて話す様子

ここまでの話を聞くと、「好きなように生きた方が得なのでは」と受け取られかねませんが、そこには見過ごせない注意点もあります。

船木先生

船木先生

「圧倒的に心臓発作とか脳血管障害、脳卒中、主に脳梗塞ですよね、そういう方の病気を起こすリスクは非常に高くなりますね」

感情が動き続ける生活は認知症のリスクを下げる一方で、心臓や脳血管への負担を高める可能性があり、注意が必要です。

船木先生

船木先生

「社長がやっぱりどうしてもその彼女の前では頑張るんですよ。だから余計リスクがあるんですよ」

木曽さん

木曽さん

「見栄を張って頑張ってるのが、心臓や脳に負担をかけているということですね」

無理をしてでも理想の自分でいようとする姿勢が、体への負担につながっている面は否定できません。

実際に脳梗塞や麻痺を起こした後、支えてくれる人がいるかどうかで、その後の回復に大きな差が出るケースも見てきました。

心の充実と体への負担は、切り離せない両輪として捉える必要があります。

💡まとめ

  • 食事の内容よりも、長年抱え続けてきた「本音と違う自分」を演じ続けることが、認知症のきっかけになりうる
  • 表面的に仲の良い夫婦・真面目な中間管理職や公務員など、本音を抑え込んで役割を全うしてきた人ほど注意が必要
  • 感情が動き続ける脳は老いにくく、不確かさへの感情を持ち続けている人は認知症になりにくい傾向がある
  • ただし感情が動き続ける生活は、心臓発作や脳血管障害のリスクを高める可能性もあり、注意が必要
  • 大切なのは、社会的な役割から離れたときにも「自分自身」を偽らずに向き合えるかどうか

本記事の内容はこちらのYouTube動画でお話ししています。

船木先生が長年の臨床経験から語る、認知症になりやすい人・なりにくい人の意外な共通点。本記事では書ききれなかった具体的なエピソードも詳しく語られています。ぜひご覧ください。

※本チャンネルの内容は、医療・健康に関する情報提供を目的としたものであり、特定の診断・治療・予防効果を保証するものではありません。気になる症状がある場合や治療中の方は、必ず医師など専門家へご相談ください。