こんにちは、認知症ZEROです。
「果物は体にいいから、たくさん食べても安心」
——そう思い込んでいませんか?
今回は、毎朝の果物の食べ方について船木先生に伺いました。
結論から言うと、果物にまつわる「甘いものでも自然由来だから大丈夫」という感覚には、大きな誤解が潜んでいます。
※本記事の内容は、船木先生の長年の臨床経験に基づく見解です。
1果物は「正義」ではない、という誤解


船木先生
「果物だったら甘いものでも、糖分は含まれてるってことはだいたいわかりますよね。ですから甘いものはやっぱり良くない。砂糖は取りすぎちゃ良くない」

木曽さん
「果物だけは正義みたいな感覚がどこかにあると思うんですよ。この糖分はいくら取っても、自然から摂取してるから許されるでしょうみたいな。これはちょっと誤解があるわけですか?」

船木先生
「もう100%誤解ですね」
フルーツさえ食べていれば病気にならない、という考え方をしている方が実際にいます。
そういう方に何人も会ってきましたが、結構な方が病気になっているのです。
問題になるのは、毎朝ヨーグルトと結構な量のフルーツを一緒に食べて、そこに蜂蜜をかけて——それを何十年も続けてきたようなケースです。
そうした食べ方を長年続けてきた方が、認知症になったのを実際に見たことがあります。
2炭水化物と糖質はイコールではない

果物と血糖値の関係を理解するには、まず「炭水化物」と「糖質」の違いを整理しておく必要があります。

船木先生
「炭水化物イコール、糖質と食物繊維を合わせたものです」
天然に存在する甘いものの元
——お米も小麦も果物も、糖分だけがそこにぶら下がっていることはなく、必ず食物繊維と一緒にあります。
みかんは皮を剥いていきなりジュースが出てくるわけではありません。
食物繊維は、人の体には直接それを消化する酵素がありません。
腸の中にいる腸内細菌が、餌として喜んで食べてくれる存在です。
つまり、炭水化物のうち体に負担をかけやすいのは「糖質」の部分であり、炭水化物すべてが悪いわけではないという点は、押さえておきたいポイントです。
糖質はさらに、糖が1つの「単糖類」、2つくっついた「二糖類」、たくさんくっついた「多糖類」に分かれます。
人の体に簡単に吸収されるのは単糖類で、その代表がブドウ糖と果糖です。
甘いお菓子を食べるとブドウ糖として吸収され、オレンジジュースやりんご、みかんなどの果物を食べると、最終的には果糖として血液に入っていきます。
この2つが、最も体に吸収されやすい糖の種類です。
3一番大事なのは「血糖の上がりやすさ」


船木先生
「人の体は血糖が上がるっていうのは、本当に非常事態、1番避けたいことなんです」
糖は生きていくのに必要なものですが、血液中のレベルはある一定の範囲に保ちたいものです。
多すぎても少なすぎても困ります。
多すぎると、体の血管に傷を作っていく病気の元になります。
美味しいからとジュースをがぶ飲みしたり、お菓子を一気に食べたりすると、急激な糖の摂取になり、血糖が上がる可能性が極めて高くなります。そうなると血管に対する損傷のリスクも高まっていきます。
最終的にはブドウ糖であれ果糖であれ、糖はすべて血糖を上げます。
ただし、どれくらいの勢いで上げるかは食品によって大きく違います。
この「血糖の上がりやすさ」こそが、認知症や糖尿病といった生活習慣病全体のリスクに深く関わっていることが分かってきています。
4血糖値を上げやすい飲み物・食べ物の順番

まず知っておきたい言葉が「異性化糖」です。天然には存在しないタイプの糖で、これが入った飲料水が最も血糖を上げやすいものになります。

船木先生
「異性化糖が含まれていない清涼飲料水を探すことの方が、はるかに難しいです」
砂糖を使っている場合は「砂糖」と表示されますが、ほとんどの清涼飲料水は今、異性化糖しか使われていません。
そして、清涼飲料水は口の粘膜からもどんどん糖分が吸収されていくため、飲んだ端から急激に血糖が上がりやすくなります。
血糖の上がりやすさは、おおよそ次のような順番になります。
- 異性化糖入りの飲料水(最も上がりやすい)
- 砂糖入りの飲料水、還元果汁のジュース
- 果物の生絞りジュース
- 白米、うどん、ラーメンなどの麺類
- 果物を皮ごと・丸ごと自然な状態で食べる
- 玄米、雑穀、そば
- 豆類
- 野菜、海藻、きのこ類(最も上がりにくい)

木曽さん
「なんかここまでの流れ聞くと、じゃあ白米・うどん・ラーメンをバカ食いできるぞって思っちゃいがちですけど」

船木先生
「そうではないですよね。やっぱりこれも食べ方気をつけないと。白米でも結構上がります」
玄米の方が圧倒的に上がりにくいのは、白米や小麦を精製・加工する過程で食物繊維の多くが失われてしまうからです。
食物繊維は、体に糖を届けてくれる一方で、体を守る方向にきちんとパッケージ化されている——それを外してしまえば、体は望まない方向に進んでしまいます。
5果物は「皮ごと・丸ごと」がポイント


木曽さん
「昔よくドラマなんかで、りんごをこすってそのままかじるなんてシーンがありましたけど、あれは実は先生的にはいい食べ方だなっていう見立てになるわけですね」

船木先生
「そう。皮ごとかじって食べるのはいいんですけども、何がいいかって言うと必ず噛むからなんです」
飲み込めないから自然に噛む、その咀嚼という行為があるからこそ時間をかけて食べることになり、それが血糖の急上昇を防ぎます。
逆に果物の中身だけを食べる、あるいは果物缶詰のように皮を取った状態でどんどん食べられるものは、急激に大量に糖分を摂取しやすいという点で注意が必要です。
同じように、果物を絞ったジュースは、食物繊維が入らずに内部の糖分だけが絞り出されているため、果物をそのまま食べるのとは全く違うものになります。
口当たりが良く飲みやすいフレッシュジュースほど、糖分だけを摂取するリスクが高くなるのです。
6血糖値を上げにくい食品も知っておく

うどんとそばを比べると、そばの方が血糖を上げにくいとよく言われます。

船木先生
「食物繊維が多く入ってるのもありますし、やっぱりうどんよりもそばって時間かけて食べてるんですよ」
うどんはつるっと飲み込みやすく、あまり噛まずに食べられてしまいますが、そばは食物繊維が多いことに加えて、噛む・咀嚼する時間そのものが長くなる傾向があります。
豆類も同様に、皮ごと食べる部分があり血糖を上げにくい食品です。
そして、野菜、海藻、きのこ類は、消化にも咀嚼にも時間がかかり、量もそれほど多く食べられるものではないため、血糖の上げやすさで言えばほぼ一番下のレベルになります。
お腹が空いたときにこうした食品で満たすのは、体にとって良い選択肢のひとつです。
もちろん、炭水化物がまったく不要というわけではなく、バランスを考えることが前提になります。
💡まとめ
- 果物や糖分は「自然由来だから安心」というのは誤解で、糖分としての性質は他の糖と変わらない
- 炭水化物は「糖質+食物繊維」であり、糖質と炭水化物はイコールではない
- 認知症や生活習慣病のリスクに関わるのは「血糖の上がりやすさ」
- 異性化糖入り飲料水、果汁ジュース、白米・うどん・ラーメンは血糖が上がりやすい
- 果物は皮ごと・丸ごと、よく噛んで食べることで血糖の上昇を緩やかにできる
- 玄米・そば・豆類・野菜・海藻・きのこ類は比較的血糖が上がりにくい
本記事の内容はこちらのYouTube動画でお話ししています。
果物の糖分と血糖値の関係について、船木先生が具体例を交えて詳しく解説しています。ぜひご覧ください。
※本チャンネルの内容は、医療・健康に関する情報提供を目的としたものであり、特定の診断・治療・予防効果を保証するものではありません。気になる症状がある場合や治療中の方は、必ず医師など専門家へご相談ください。