こんにちは、認知症ZEROです。
「頭では分かっているのに、なぜかやめられない」
——そんな経験はありませんか?
食べ過ぎ、飲み過ぎ、分かっているのに繰り返してしまう。
今回は、そのカラクリを「腸」という視点から、船木先生に伺いました。
認知症を防ぐ第一歩は、実は脳ではなく「腹」にあるというお話です。
※本記事の内容は、船木先生の長年の臨床経験に基づく見解です。
1認知症は「脳」だけの問題ではない

認知症というと、多くの人が「脳」の問題として捉えます。
記憶をつかさどる力、判断する力
——確かにそれらは脳の働きです。
しかし、記憶とは何か、その人らしさとはどこにあるのかを突き詰めて考えると、単純に脳だけの話では説明がつきません。

船木先生
「その人らしさっていうのを僕たちは確実に感じてますよね。その人らしさが存在する場所が、僕は腹じゃないかなっていう風に考えてるんです」
「腹」というのは、胃や腸といった一つの臓器を指す言葉ではありません。
内臓、そこで行われている働き、さらにはその人の生き方や世界観まで含めた、もっと大きな総称です。
人を一人の全体として捉えるとき、目に見える臓器だけでなく、そこで行われている働きも含めて考えることが大切だという考え方です。
2腸の役割は「消化」だけではない

学校で習う消化の仕組みは、唾液で分解された食べ物が胃でさらに分解され、小腸・大腸で吸収されて肝臓に運ばれる、という流れです。多くの人がこの説明を覚えているはずです。

船木先生
「そういった分かりやすい働きは、いわゆる消化っていう体の中で行われているすごく大事な働きとはいえ、おそらく全体の1割も役目果たしてないっていうかですね」

木曽さん
「じゃあ残りの8割、9割って何なんですか?」
残りの大部分は、腸内細菌が腸内環境全体で行っている働きだといいます。
消化はもちろん腸の重要な役割ですが、それ以上に大きいのが免疫の働きです。

船木先生
「腸の中の菌は、私たちの体を持ってるその持ち主、私たち自身を、ひたすら助けるんですよ。大家さんが倒れたら自分たちも生きていけなくなっちゃうので」
腸内細菌にとって、私たちは「大家さん」のような存在です。
大家さんが元気でいることが、自分たち(腸内細菌)にとっても好都合。
だからこそ、いいものを食べ、体を動かし、しっかり眠り、良い人間関係を築いてもらうことが、腸内細菌自身の生活にも直結しているというわけです。
3感情や思考も、腸内細菌に影響を与える

単に食べ物だけでなく、何を考え、どういう感情を持つかということも、腸内細菌の生活に反映されてしまうといいます。

船木先生
「いつも怒ってる、いつも緊張してる、いつも人と喧嘩してるっていう人たちの腸の中の菌の状態って、すごく悪くなるんです」

木曽さん
「そうした心理的な部分というのは、腸は大きな影響を受けるんですか?」

船木先生
「ものすごい受けます」
4「腹が立つ」「腹落ちする」という言葉に隠された意味

日本語には「腹」にまつわる言葉が数多くあります。
「腹が立つ」
「腹の虫が収まらない」
「腹落ちする」
——これらは単なる言い回しではなく、感覚や体感を言葉で表したものだといいます。

船木先生
「虫の感覚って実は世界共通で、胃の中の蝶ってバターフライストマックっていう言葉も英語にあるぐらいなんです」
考えるのも判断するのも脳のはずなのに、「腹落ちする」「腑に落ちる」という言葉には、なぜ「腹」が使われるのでしょうか。

船木先生
「これは本当にそうだからだと思ってます。深い納得とか、深く考えて考えた結果、あれでいいんだっていうのをやっている腸が腹なんですよ」
5脳と腸の関係——本来は「腸」が上位にある

認知症を扱うチャンネルの多くは、全て脳の問題として処理しています。
脳の検査や治療薬の話は分かりやすいのですが、そもそも認知とは何なのか、物事に奥行きや納得感を与えているのは何なのかを考えると、見えてくるものがあります。

船木先生
「それに奥行きを与えたり、人間その人独自の納得感を与えてるのは、明らかに腹なんですよ」
英語では脳と腸の関係を「アキシス(軸)」と呼び、腸は「第二の脳」と表現されることがあります。
しかし船木先生の見方は少し異なります。

船木先生
「私からしたら本来は、脳に押し上げられてるっていうか」

木曽さん
「蟻の脳ってことですね」
脳が主役で腸が第二、という一般的なイメージとは逆に、腸こそが本来の主であり、脳がその上に押し上げられている——という考え方です。
6腸内細菌が優勢になると、脳が「妥協」してしまう

「絶対にやめられない」という人が実際にいます。
脳では「この食べ方ではいけない」と分かっていても、間違った腸内細菌が勢力を握ってしまうと、状況が変わってしまうといいます。

船木先生
「あまりにも間違った腸内細菌がもう勢力を取ってしまうと、ある意味でタガが外れたみたいになって、腸から『そんな余計なこともやってくれんな』っていうところで終わっちゃってる人が今、結構多いんです」
本来、健康な状態というのは、自由に自分を感じて考えて行動できる状態です。
腸(現場)の意見を脳(判断する側)が聞いて、「こんなパスタばかり食べているわけにいかないよね」とやり取りが成立している状態が健全です。

船木先生
「あまりにもパスタとかパンばかりで、まともな細菌がいなくなったら、『もういいじゃん、これで』っていう。俺たちこの道で生きていくしかないんだよっていう。腸と脳で、そこでも腹落ちしちゃってるんです」

木曽さん
「腹落ちしたからといって、決して正しいということではないんですね」

船木先生
「例えば妥協ですね。その人としての結論ですよね」
脳が妥協案として受け入れ、飲まざるを得なくなる、食べざるを得なくなる
——そうした環境が出来上がってしまうということです。
腸内環境は良い食べ物によって加速的に良くなっていくものですが、逆にどんどん悪くなっていくものでもあります。
7認知症予防の第一歩は「食事」

体を健全に営むための最前線で働いているのは、実は腸だといいます。
腸がきちんと働いてくれれば、体はちゃんと健康な営みができる。
そしてこれを司っているのが食事です。

船木先生
「腸が不健康な状況になっていくと、それが脳にも悪影響を及ぼす。これが結果的には認知症というものにつながってしまう」
認知症を防ぐための第一歩は食事——そう言われても、多くの人はあまりそう思っていないかもしれません。それは、脳で「そう思う」ことと、実際に続けられることの間には大きな差があるからです。

船木先生
「続けられるには何が必要かって、腹落ちすることなんですよ」
頭で分かっていることと、腹で理解できていることは別物です。
よく「頭では分かってる」と言いながらお酒がやめられないのは、腹では理解できていないから。
そして、腸の中の環境、腹の状態というのは、近くにいる人同士で似てくるものだといいます。
💡まとめ
- 認知症は脳だけの問題ではなく、腸を含めた「腹」全体の働きが関わっている
- 腸の役割は消化だけでなく、免疫や心理状態にも大きく影響している
- 「腹が立つ」「腹落ちする」という言葉には、腹が感情や納得感を担っているという意味が込められている
- 脳と腸の関係は、脳が上位ではなく、腸(腹)が本来の主であるという考え方がある
- 間違った腸内細菌が優勢になると、脳が「妥協」してジャンクフードなどをやめられなくなることがある
- 腸内環境を整えることが、認知症予防の第一歩であり、それには「腹落ち」して食生活を続けることが欠かせない
本記事の内容はこちらのYouTube動画でお話ししています。
腸と脳の意外な関係から、「腹」という言葉に込められた知恵まで、船木先生が詳しく解説しています。ぜひご覧ください。
※本チャンネルの内容は、医療・健康に関する情報提供を目的としたものであり、特定の診断・治療・予防効果を保証するものではありません。気になる症状がある場合や治療中の方は、必ず医師など専門家へご相談ください。