こんにちは、認知症ZEROです。
「座っている時間が長いこと」が、まさか認知症のリスクにつながるとしたら、あなたはどう感じますか?
デスクワーク中心の生活を送る方にとっては、見過ごせない話かもしれません。
今回は、船木先生に「座り時間と認知症リスク」の関係について伺いました。
結論から言うと、座っている時間が長ければ長いほどリスクは高まり、特に1日の合計座り時間が10時間を超えると、そのリスクは極端に上がることが分かっています。
※本記事の内容は、船木先生の長年の臨床経験および紹介する研究データに基づく見解です。
1座っている時間が長いほど認知症リスクは高まる


船木先生
「座るということが休息って思い込んでるけど、リスクもあるってことはまず知っときたい」
自身の生活を振り返って気づくのは、座り仕事の人と、農業など体を動かす仕事の人とでは、体の作りや病気のかかり方がまったく違うという点です。

船木先生
「1箇所にこうじっと座っていたら仕事にならないっていうタイプの方の体の作りだとか、病気の持ち方、また病気の捉え方が全く違う」
デスクワークを選んだ人は人生の大部分を座って過ごし、リモートワークの普及でその時間はさらに増えています。
立ち仕事中心の人との差は、想像以上に大きなものになっているというのが実感です。
21日10時間座ると何が起きる?60歳以上5万人の追跡調査


木曽さん
「とはいえ、なかなか座りの生活を変えていくのは難しい問題もあると思うので、認知症に関するリスクで言うとどういったところが挙げられますか?」
船木先生が紹介するのは、60歳以上・約5万人を対象にした追跡調査です。
体に機械を装着し、1日のうちどれだけ座っているか、動いているかを正確に記録した研究になります。

船木先生
「座っている時間が長ければ長いほど認知症のリスクも明らかに高くなるっていうことと、特に1日合わせての座っている時間が10時間を超えると、それが極端に高くなる」
1日10時間というと大した数字に思えないかもしれませんが、通勤・勤務時間・帰宅後の時間を合計すると、ほとんどの人がこのラインを超えてしまいます。
WHO(世界保健機関)も、座りっぱなしの時間をできるだけ減らし、少しでも体を動かす時間に置き換えるよう推奨しています。
3なぜ座りすぎが体に悪いのか?筋肉と血流の仕組み


木曽さん
「まず座り続けて、最初に体が食らうダメージっていうのは何なんですか?」

船木先生
「筋肉がまず動かなくなりますよね」
私たちの体は、動くことで進む反応・働きが数多く備わっています。
食べたものを消化し、消化したものを血液で全身に配る
──こうした体の内側の動きも、実は体の外側の動き(筋肉の運動)に支えられ、後押しされています。

船木先生
「食事してすぐは休むべきっていう通説がある気がしますけど、今はちょっと休んだら食後運動すべきだっていう風に変わってきてます」
筋肉が動かないと、栄養を体に取り込んだり必要な場所へ送ったりする働きが落ち、血の巡りも悪くなります。
その結果、内臓脂肪が増えるとともに、血管の内側を覆う「内皮細胞」の働きがどんどん低下していきます。
内皮細胞は免疫力や体温調節など、生命維持に関わる大切な監視機能を担っており、そこが鈍ると体全体の見回り機能そのものが弱くなってしまうのです。
4座りすぎが招く「慢性炎症」と動脈硬化のリスク

内皮細胞の働きが落ちると、何が起きるのでしょうか。

船木先生
「全身の慢性炎症って言うんですけれども、血の廊下を一番血液に影響与えてダイレクトに影響与えるのは内皮細胞、その内皮っていうあの内側の細胞なんですけども、その細胞の働きが落ちることで簡単に言うと全体がこう炎症起こしたような状態になっていくんですよ」
怪我をしたときに患部が赤く腫れる、あの炎症反応が、目に見えない形で全身の血管に広がっていくイメージです。
そして、この慢性炎症が目に見える形になったものこそが動脈硬化です。

船木先生
「血管が分布してない臓器って人体にほとんどないんですよ。本当にごく一部なんですよ」
血管はほぼ全身に張り巡らされているため、そこで起きる炎症は、局所的な症状にとどまらず全身的な問題に発展していきます。
しかも座り続けていると、この炎症が治るタイミングそのものが失われてしまうのです。
5炎症を抑えるカギは「動くこと」―1日30分のウォーキングのすすめ


船木先生
「炎症を私たちの体は直す力持ってるんですよ。みんなでちょっとここを力貸しに行こうっていう働きって、動きから出てくるんですよ」
炎症を修復しようとする体本来の力は、運動によって発揮されます。
特別な運動をする必要はなく、日常生活の中で意識的に体を動かすことがポイントです。

船木先生
「大体30分程度のウォーキングを、酔っ払いが歩くみたいにだらだら歩くんじゃなしに、普段の心拍数よりも10〜15回ぐらい増えるぐらいの、ちょっとしんどいなっていう運動を、週3〜4回追加するだけでだいぶ効果は出ますね」
大きな負荷は必要ないものの、続けるのが難しいのも事実です。

木曽さん
「そっか。じゃあ、入浴剤とかで血管を広げる効果がある製品もありますけど、それとウォーキングだとどちらが効果的なんですか?」

船木先生
「最悪ウォーキングできなかったら入浴剤っていう考え方はダメです」
炭酸ガス系の入浴剤には血管を広げる一酸化窒素の働きを促す効果があり、実際に治療にも使われていますが、あくまで長時間の座りっぱなしを避けたうえで運動することが、最も効果的なアプローチです。
💡まとめ
- 座っている時間が長いほど認知症リスクは高まり、1日の合計座り時間が10時間を超えると極端にリスクが上昇する(60歳以上・約5万人を対象にした追跡調査より)
- WHOも長時間座ったままの仕事を避け、定期的な休憩・運動を推奨している
- 座りすぎは筋肉の働きを低下させ、血流悪化→内皮細胞の機能低下→全身の慢性炎症→動脈硬化という流れにつながる
- 炎症を修復する体の力は「動くこと」によって引き出される
- 対策の基本は、心拍数が少し上がる程度のウォーキングを1回30分・週3〜4回行うこと
- 入浴剤による血管拡張効果もあるが、あくまでウォーキングなど運動が最優先
本記事の内容はこちらのYouTube動画でお話ししています。
座り時間と認知症リスクの関係について、60歳以上を対象にした追跡調査のデータを交えながら船木先生が詳しく解説しています。ぜひご覧ください。
※本チャンネルの内容は、医療・健康に関する情報提供を目的としたものであり、特定の診断・治療・予防効果を保証するものではありません。気になる症状がある場合や治療中の方は、必ず医師など専門家へご相談ください。